研究代表者
城森 孝仁(株式会社 三和化学研究所)
研究実施期間
平成17年度~18年度(2年間)
研究の目的・概要
これまでの研究により、血糖値に依存してインスリンを分泌する作用をもつペプチドホルモンGLP-1を遺伝子組換えによってコメ胚乳部分に高含量発現させることに成功し、発現米に糖尿病モデル動物での血糖降下作用のあることを確認した。本研究では、このGLP-1発現米を食品として開発することを目指すために、商品価値のある発現米株を選抜・確定し、本組換えイネの栽培実験を申請・実施する。さらに糖尿病モデル動物に長期間摂取させて糖尿病に対する予防効果について検証する。また、GLP-1の吸収経路と吸収量を明らかにし、その作用メカニズムについても解明する。これらエビデンスに基づく付加価値のある機能性米を完成させる。
期待される成果、効果
GLP-1発現米を農業生産者に生産委託し、収穫米を炊飯、パック詰めした形で商品化する。商品は製薬企業を中心とした流通経路で病院等に配送され、医師や管理栄養士の指導の下に糖尿病患者に提供される。今日、糖尿病患者数は増加傾向にあり、GLP-1発現米へのニーズと市場性は十分あるといえる。