技術コーディネーター
大山 莞爾 (石川県立大学 生物資源工学研究所)
研究実施期間
平成19年度~23年度(5年間)
研究の概要
ゼニゴケは、機能性食品・サプリメントとなる不飽和脂肪酸のアラキドン酸およびEPAを合成しているが、この性質は植物界ではコケ類のみが有している。そこで、遺伝子組み換えにより、アラキドン酸およびEPAから血圧低下作用・子宮収縮作用を有するエイコサノイド類を合成するスーパーゼニゴケを作出する。また、ゼニゴケの特性を生かし、省スペース・省エネ型の植物工場、さらには、栽培から抽出までを一貫して行うことのできるシステムを開発する。
【コンソーシアムの構成】
- エイコサノイドを生産するスーパーゼニゴケの作出
<石川県立大学 生物資源工学研究所 大山 莞爾> - ゼニゴケの最適栽培条件の検討および培養マット式連続栽培法の開発
<株式会社総合園芸 徳本 修一> - 多段棚縦型栽培方式を用いたゼニゴケ閉鎖型植物工場の開発
<北陸電力株式会社 明地 一男> - ゼニゴケより総油脂の高圧高温水蒸気抽出方法および抽出残渣の処理法の開発
<株式会社アクトリー 増井 芽> - ゼニゴケ総油脂中のLCPUFA、エイコサノイドの分析、油脂成分の分画法と製品化の開発
<小太郎漢方製薬株式会社 松平 直久>
期待される成果・効果
スーパーゼニゴケ作出により、エイコサノイド類を安定的かつ安価に供給でき、飲食品やサプリメント、医薬原料の市場拡大につながる。また、従来の植物工場と異なり、省スペース・省エネ型・栽培生産一貫システムの新しい植物工場の開発により、植物工場関連産業の拡大・発展につながる。