生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2007年度 採択された研究課題

天敵誘引剤・活性化剤を用いた害虫管理

総括責任者

高林 純示
高林 純示(国立大学法人京都大学 生態学研究センター)

研究実施期間

平成19年度~20年度(2年間)

研究の目的・概要

京都大学を中心とする研究グループは、土着性天敵の有効利用による環境に優しい害虫防除技術の確立をめざした研究を進め、天敵誘引剤、天敵活性化剤を開発した。従来登録のある天敵農薬、微生物農薬、フェロモン剤に並び、有機農法に用いることのできる画期的な薬剤といえる。
世界に先駆けて開発を進めてきた両薬剤が、アブラナ科植物の害虫であるコナガの防除に対して有効であることを現地圃場で実証した。そこで、両薬剤を用いた雨よけハウス害虫防除技術の確立と、露地での害虫防除技術の検証を進める。両薬剤は世界に類を見ない新しいコンセプトであることから、農薬登録の基準がなく上市まで時間がかかることが予想される。総合商社丸紅のネットワークを活用し、将来的には国内だけではなく、世界的な農薬市場での両薬剤のマーケットを視野に入れ、市場調査と多様な地域でのニーズの掘り起こしを行う。

【研究チームの構成】

  •  天敵誘引剤・活性化剤の実用化研究
    <国立大学法人京都大学 生態学研究センター 高林 純示>
  •  天敵誘引剤・活性化剤の市場調査とマーケティング活動
    <丸紅株式会社 松原 弘行>

期待される成果、効果

天敵誘引剤、天敵活性化剤を提供するベンチャー企業を設立する。農薬登録を含む製品開発、製造に加え、両薬剤を用いた害虫管理技術を確立・定着させるためのさまざまなレベルでの技術支援体制ならびにマーケティング体制を確立する。

天敵誘引剤・活性化剤を用いた害虫管理