革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)において平成26年度~28年度に実施した試験研究の成果についての終了時評価を、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)競争的資金事業実施規程(15規程第73号)及び革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)評価実施要領 (26生研セ第1282号)に基づき、下記のとおり実施しましたので、その概要を公表します。
平成28年度終了時評価結果概要
生物系特定産業技術研究支援センターは、評議委員会による評価を受け、下記のとおり終了時評価を決定しました。
【研究領域:医学・栄養学との連携による日本食の評価】
番号 | タイプ | 試験研究計画名 | 総合評価結果 |
1 | 計画研究 | 世界の健康に貢献する日本食の科学的・多面的検証 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
2 | 補完研究 | 日本食スタイルの評価と健康影響の検討 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
3 | 補完研究 | 健康長寿地域住民の食品因子感知力に基づいた食品摂取パターンの評価 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
4 | 補完研究 | 伝統的日本食を基盤とした健康食「日本食」のストレス感受性や運動機能に与える効果に関する研究 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
5 | 補完研究 | 健康長寿に資する特徴的日本食品の機能性評価に関する基盤研究 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
6 | 補完研究 | 日本食によるストレス・脳機能改善効果の解明 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
7 | 補完研究 | エピゲノム情報に基づく日本食がストレスに与える影響の評価 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
8 | 補完研究 | 病的老化から自然老化へと導く日本食のすすめ ― 脳内免疫異常およびエピジェネティクス異常の日本食由来成分によるリセット ― | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
【研究領域:情報工学との連携による農林水産分野の情報インフラの構築】
番号 | タイプ | 試験研究計画名 | 総合評価結果 |
1 | 計画研究 | ICT 活用農業事業化・普及プロジェクト | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
2 | 補完研究 | 低層リモートセンシングによる作物モニタリングを用いた効率的栽培管理システムの構築 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
3 | 補完研究 | 超微量ガス検知技術を用いた園芸作物の病害早期発見/診断センサーの開発 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
4 | 補完研究 | 植物状態と作業行動記録による気づきナレッジの開発とその現場実証 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
5 | 補完研究 | 農業情報標準の相互運用性をWeb Serviceとして実現する情報プラットフォームの開発と実証 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
6 | 補完研究 | 情報入力・通信環境機能を備えた低価格センサーシステムの全国圃場への導入と共通データベース・情報共有システムの構築による実証試験 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
7 | 補完研究 | 生理生態学的分析を可能にする低コストモバイルセンサと次世代農業ワークベンチの開発 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
8 | 補完研究 | 中小農家が使いやすい栽培ナレッジ共有オープンシステム開発と検証 |
試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
9 | 補完研究 | 生産者と消費者等の双方向の情報流通 野菜・コメの総合的品質指標の開発・実装 | 試験研究計画の目標達成が不十分であり、研究戦略の実現には一層の努力が必要である。 |
【研究領域:理学・工学との連携による革新的ウイルス対策技術の開発】
番号 | タイプ | 試験研究計画名 | 総合評価結果 |
1 | 計画研究 | 先導・革新的人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術の確立と社会実装 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
2 | 補完研究 | Reverse vaccinology手法を用いた新規牛白血病VLP(ウイルス様粒子)ワクチンの開発 | 試験研究計画の目標を上回る達成であり、研究戦略の実現につながる優れた成果が得られた。 |
3 | 補完研究 | H5・H7亜型高(低)病原性鳥インフルエンザの診断・防除法の開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
4 | 補完研究 | ナノテクノロジーとラップトップ型PCR測定機による家禽・家畜ウイルスの正確・超高感度・簡便検出法の開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
5 | 補完研究 | 抵抗性誘導剤による革新的ウイルス防除技術の開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
6 | 補完研究 | 高効率なウイルス・ウイロイドRNA検出技術の開発 | 試験研究計画の目標を上回る達成であり、研究戦略の実現につながる優れた成果が得られた。 |
【研究領域:工学との連携による農林水産物由来の物質を用いた高機能性素材等の開発】
番号 | タイプ | 試験研究計画名 | 総合評価結果 |
1 | 計画研究 | 農林水産物由来のナノ材料の創成と応用の開拓 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
2 | 補完研究 | 農林系廃棄物を用いたハイブリッドバイオマスフィラー製造および複合材料開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
3 | 補完研究 | 農林産物由来の物質を用いた高性能・高環境性・低価格なナノ潤滑添加剤の開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
4 | 補完研究 | セルロースナノファイバーを基材としたQOL向上のための食品・化粧品ソフトマターの開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
5 | 補完研究 | 物理処理と酵素処理を併用した木質材料由来ナノファイバーの食品等への応用 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
6 | 補完研究 | もみ殻から生産する非晶質シリカ灰及び灰から製造する無機珪酸塩ポリマーの機能開発及び用途開発 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる予定した成果が得られた。(標準) |
7 | 補完研究 | ナノ構造体シリカ粒子の高純度・低コスト化製法開発と工業用機能性素材の用途開拓 | 試験研究計画の目標を達成し、研究戦略の実現につながる良好な成果が得られた。 |
主な講評
- 多くの課題の総合評価において、研究戦略の実現につながる技術開発が着実に行われた、との講評でした。
- 得られた研究成果の農林水産・食品分野の普及については、市販化まで達成しており、今後更なる発展を期待したいとの意見の他、開発した技術は直ちに普及できるレベルに達していないが、斬新な基本技術であることから、今後の応用・普及が期待できる、との意見がありました。