研究代表者氏名及び所属
宮沢 孝幸(国立大学法人京都大学ウイルス研究所)
研究実施期間
平成20年度~24年度(5年間)
研究の趣旨・概要
哺乳類のゲノムにおいては、寄生ゲノムであるレトロエレメントが約4割を占めている。ヒトやマウスにおいてはレトロエレメントが胎盤の形成や維持に必要であることが明らかになってきている。その一方で過去のレトロウイルス感染の痕跡ともいえる内在性レトロウイルスは、現在も新しい宿主に感染するリスクを孕んでいる。 本研究では、家畜のゲノム情報に基づきレトロエレメントを網羅的に解析し系統分類する。内在性レトロウイルスの感染リスクを軽減するために、ウイルスの粒子形成機構を解明し、それを制御する。ウシやブタの胎盤において機能しているレトロエレメントを同定し、その制御を試みる。さらにレトロエレメントを利用した新しい遺伝子導入用ベクターを開発する。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- レトロエレメントの解析と高度利用に向けた基盤技術の開発
(国立大学法人京都大学ウイルス研究所 宮沢孝幸) - 胎盤におけるレトロエレメントの機能解析と制御
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 今川 和彦) - レトロエレメントの粒子形成機構の解明と制御法の確立
(科学警察研究所 安田 二朗)
期待される成果、効果
レトロエレメント研究はポストゲノム時代の一大フロンティアであり、本研究は生物学的製剤開発、動物発生工学、再生医療や異種移植などの広い分野で大きなインパクトを与える。