研究代表者氏名及び所属
寺尾 純二(国立大学法人徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
研究実施期間
平成20年度~24年度(5年間)
研究の趣旨・概要
高齢化社会を迎えたわが国では加齢や運動不足による筋萎縮が筋肉老化を引き起こし、メタボリック症候群や「寝たきり」の原因となっています。筋萎縮は筋タンパク質のユビキチン化を触媒する酵素(ユビキチンリガーゼ)の活性化で起こることを私たちは発見しました。したがって、酵素の発現抑制や活性阻害によりユビキチン化を抑える物質(抗ユビキチン化物質)には筋肉老化を遅らせる作用があると考えられます。実際に私たちは茶フラボノイドとオリゴペプチドに抗ユビキチン活性をみとめました。しかし、これらを筋肉老化予防のための機能性食品として応用するためには、経口摂取する食品としての有効性を検証し、さらに高機能化する必要があります。 そこで本研究では、生体内での抗ユビキチン化機構を分子レベルで解明することにより高機能化の標的部位を解明するとともに、高機能化ペプチド、フラボノイドの植物素材からの探索、および酵素利用や発酵生産を用いてこれらを高機能化するための基盤を形成することを目的とします。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- フラボノイドの探索と作用解析
(国立大学法人徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 寺尾純二、根本尚夫、武田英二) - ペプチドの探索と作用解析
(国立大学法人徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 二川健、宮本賢一、安井夏生) - 発酵法による高機能化技術
(国立大学法人鹿児島大学農学部 岡達三、馬嶋秀行)
期待される成果、効果
「寝たきり」予防など高齢者のQOL向上に貢献する食品素材の利用が進展するとともに、筋肉を養う高機能食品が開発されます。