研究代表者氏名及び所属
曾根 輝雄(国立大学法人 北海道大学大学院農学研究院)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
イネの最重要病害いもち病の防除のために数多くのいもち病抵抗性遺伝子を持つイネ品種の育成が行われてきたが、その効果は恒久的なものではなく、イネいもち病菌の突然変異によるイネ品種のいもち病抵抗性の崩壊が問題である。イネによるいもち病抵抗性は、イネの抵抗性遺伝子(R遺伝子)といもち病菌の非病原性遺伝子(AVR遺伝子)の産物が相互作用することが引き金となって起こる。本研究では、イネいもち病菌のAVR遺伝子産物の機能とその分子構造を解明することで、イネのいもち病抵抗性誘導の出発点である、AVR遺伝子産物とイネのR遺伝子産物のタンパク質相互作用を、細胞レベルおよびタンパク質分子レベルにおいて明らかにする。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- AVR-Pia及びPiaの遺伝生化学的解析
(国立大学法人 北海道大学大学院農学研究院 曾根輝雄) - AVR及びRタンパク質の構造生化学的解析
(国立大学法人 北海道大学大学院先端生命科学研究院 尾瀬農之)
期待される成果、効果
本研究により、 R遺伝子産物による抵抗性反応を人為的に誘導する方法や物質が見つかれば、イネ品種のいもち病抵抗性の崩壊を引き起こさない、新たな防除薬剤や防除法の確立につながることが期待できる。