研究代表者氏名及び所属
加藤 健太郎(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
畜産・獣医学分野において、人獣共通感染症を含み、家畜に重篤な症状、経済的損失を引き起こす病原寄生虫病の対策の多くは、古典的な化学薬剤等に頼ったものである。本研究では、原虫をその対象とし、宿主細胞への侵入過程を制御する原虫の分泌蛋白質に対応する宿主細胞レセプターのスクリーニング系の確立を目指す。今回はウイルスベクターという新しいアプローチ法を利用することでレセプター探索を行う。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 原虫レセプター探索系の確立
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 加藤健太郎) - 原虫感染(宿主細胞侵入)機構の解明
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科 加藤健太郎)
期待される成果、効果
原虫の分泌蛋白質はそれ自体が有力なワクチン候補物質であることからこれらの宿主細胞レセプターの解析より、原虫独特の生活環を遮断する新たな抗原虫薬・原虫ワクチン開発に不可欠である原虫の遺伝子発現機構、シグナル伝達機構の根本的な解明に繋がることが期待される。ここで得られた知見は、食への安心感、信用回復による畜産物・食料品市場での経済効果として畜産、食品業界に貢献すると考えられる。