研究代表者氏名及び所属
山根 久代(国立大学法人京都大学農学研究科)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
近年、一年生植物の形態形成機構の分子基盤が次々に明らかにされてきている。一方で、栄養生長と生殖生長を繰り返す永年性作物のライフサイクルの制御機構に関する知見は乏しい。永年性作物のライフサイクルを制御する重要な生理現象のひとつに休眠があげられる。温暖期に分化した芽は秋季に生長を停止し、“休眠”した状態で越冬し、一定期間の低温に遭遇してはじめて生長を再開する。これは植物が冬季の厳寒に適応するために進化させた生体防御機構であるが、近年の地球温暖化に伴う低温遭遇期間の短縮により、温帯果樹の開花時期の変動や不揃いが我が国のみならず世界規模で問題になってきている。 本研究では、温帯果樹のライフサイクルを制御する休眠について、芽の生長抑制機構と低温を介した芽の生長抑制解除機構の解明をめざす。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 休眠制御遺伝子の探索と機能解析
(国立大学法人京都大学農学研究科 山根久代) - 休眠性改変個体の解析と休眠関連分子マーカーの開発
(国立大学法人京都大学農学研究科 山根久代)
期待される成果、効果
本研究は、気候温暖化に適応しうる休眠の浅い温帯果樹育種の迅速化に資する分子マーカーの開発や、休眠の人為的制御による高付加価値果実生産体系の確立に貢献すると考えられる。