研究代表者氏名及び所属
菅原 達也(国立大学法人京都大学大学院農学研究科)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
スフィンゴ脂質は、真核生物の細胞膜構成成分の一つであり、分化やアポトーシスなどの生命現象に深く関わっていることが知られている。近年、食品機能成分として大いに期待されているが、その科学的な根拠が乏しく、消化管吸収機構も含めて不明な点が多く残されている。本研究は、多彩な構造を有するスフィンゴ脂質の体内動態と食品機能を明らかにし、食品成分としてのスフィンゴ脂質を科学的に評価するものである。未利用資源に注目し、効率的にスフィンゴ脂質を得られる素材を探索する。その詳細な化学構造を解析し、その化学構造の違いを考慮しつつ、スフィンゴ脂質の消化管吸収機構を解明する。さらに、効果の期待される美肌機能などの機能性の作用機構について明らかにする。本研究により、スフィンゴ脂質の食品機能性についての科学的根拠を体系立てることで、新たな食品栄養学的研究領域を創出することが出来る。
項目及び実施体制(()は研究担当者)
- スフィンゴ脂質素材の探索と食品機能性の評価
(国立大学法人京都大学大学院農学研究科 菅原達也) - スフィンゴ脂質の消化管吸収と体内動態の解明
(国立大学法人東北大学大学院農学研究科 都築 毅)
期待される成果、効果
機能性と安全性が明らかな高機能食品の開発を目的とした機能性食品素材として、スフィンゴ脂質の産業的価値の向上につながり、国民のQOL向上に波及することが期待される。