研究代表者氏名及び所属
釘宮 章光(財団法人広島市産業振興センター 先端科学技術研究所)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
食品の管理プロセスにおいてアミノ酸の分析値が食品の味や鮮度、加熱後の香り、摂取後の生体調節機能などその品質の指標になるということが明らかになっている。また臨床医療の分野においても血液中あるいは尿中の遊離アミノ酸濃度を計測することは疾患の診断や病態の解析に有効な方法である。しかし、現在のところアミノ酸濃度の計測は高速液体クロマトグラフィーを用いる分析法が一般的であり、クロマトグラフィー用の大量の有機溶媒が必要、または放射線利用技術が必要であるというのが現状である。そのため簡便、迅速かつ微量のサンプルで20種類のアミノ酸濃度を計測する方法を確立することが望まれるが、そのような装置はまだ開発されていない。
本研究では20種類のアミノ酸濃度を簡便に計測可能なセンサー素子の開発を目的として研究を行い、食品や医療分野において「その場」において特殊な技術を必要とせずに、迅速かつ簡便、安価に計測することが出来る装置および方法を開発するものである。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 電極装着型マイクロチップの開発
(財団法人広島市産業振興センター 先端科学技術研究所 釘宮 章光) - フォトセンサーの開発
(財団法人広島市産業振興センター 先端科学技術研究所 釘宮 章光)
期待される成果、効果
本研究は食品や医療分野において「その場」において20種類のアミノ酸濃度を迅速かつ簡便、安価に計測することが出来る装置および方法を開発することを目指す。本研究が実現することで食品の栄養、鮮度、味などの品質管理や、病気の早期発見や病態異常への早期対処が出来るため、患者のみならず健常な人の食や医療に対する安心・安全を実現し、向上させることが可能になると考えられる。