研究代表者氏名及び所属
鎌田 八郎(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
子牛の損耗率を低減するためには分娩管理を適切に行うことが重要である。しかし、分娩は人間の活動とは無関係に起こり、深夜の分娩介護は畜産農家に大きな負担になっている。そのため分娩日時の調整技術が生産現場では求められているが、ホルモンを用いる既存の方法は胎盤停滞を伴うことから普及していない。本課題では胎盤剥離を誘導する安定かつ安価な製剤を開発し、農家に普及する安全な昼分娩誘起技術を確立する。また本製剤は自然発生胎盤停滞の画期的な治療薬としても活用される。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- ウシ用胎盤剥離誘導製剤の実用化技術の開発
(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所 鎌田八郎) - ウシ用胎盤剥離誘導物質の大量製造技術の構築
(川崎三鷹製薬株式会社 高橋克成) - ウシ用胎盤剥離誘導製剤の開発
(共立製薬株式会社 貝 健三) - ウシ用胎盤剥離誘導製剤の繁殖機能への影響の解明
(北海道立根釧農業試験場 松井義貴) - ウシ用胎盤剥離誘導製剤を用いた昼分娩誘導技術の開発
(北海道立畜産試験場 桜井由絵)
期待される成果、効果
本課題で開発される技術のもたらす分娩日時の調節効果は、農家を深夜の分娩介護から解放し、無理のない時間帯での確実な分娩管理を実現する。また胎盤停滞が回避できることから繁殖成績の向上、乳生産の向上が期待される。さらに、開発された製剤は動物医薬品として国内並びに海外において全く新しい市場を開拓する。