研究代表者氏名及び所属
近藤 直(国立大学法人京都大学)
研究実施期間
平成20年度~22年度(3年間)
研究の趣旨・概要
高品質の牛肉を生産するため、肥育牛農家はビタミンAを欠乏させた給餌方法を採用しているが、現状では実際に血液を採取し血中ビタミンA濃度を検査している。本研究では、牛の瞳孔反射が血中ビタミンA濃度と高い相関を有することを利用し,LED照明ならびにマシンビジョンあるいはフォトダイオード等を用いて非侵襲、短時間でその濃度を計測可能な装置および管理システムを開発する。より正確な計測を可能とするため、牛の種類、雌雄、月齢ごとの瞳孔色および形状変化のデータ、個別の牛の経時的変化のデータに基づき、検量線を作成する。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 血液成分計測装置の基本設計と検量線の作成
(国立大学法人京都大学 近藤 直) - 血液成分計測装置の試作・改良と管理システムの構築
(星和電機株式会社 福薗一幸) - 牧場調査と血液成分管理システムの設計
(株式会社ワイピーテック 中野 衛) - 血液成分分析ならびに瞳孔色変化のメカニズムの解明
(兵庫県立農林水産技術総合センター 福島護之)
期待される成果、効果
必要な時に、非侵襲、短時間、高精度で血中ビタミンA濃度の計測が可能となれば、頻繁なデータ蓄積ができ、牛に過大な負担をかけることなく精密なビタミンAの制御が期待できる。さらに、廉価型、高精度型など目的および生産規模に合わせた血液成分計測装置・管理システムに関わる事業展開が予測される。