生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2008年度 採択された研究課題

水産有用甲殻類の難飼育性種苗生産技術の開発

研究代表者氏名及び所属

田中 祐志
田中 祐志(国立大学法人東京海洋大学 海洋科学部)

研究実施期間

平成20年度(フェーズI)
平成21年度~22年度(フェーズII)

研究の趣旨・概要

本研究は、沿岸漁業資源として重要でありながら飼育困難で種苗量産の技術が未確立の甲殻類、なかでもイセエビ類とウチワエビ類について、それらの幼生を高効率・低コストで育成し、種苗となる稚エビの量産技術を新規に確立することを目標とする。具体的には、天然海域で捕獲される抱卵親エビを畜養し、それから孵出する幼生について、適切な餌料の特定・開発と安定供給、個体干渉による斃死回避、飼育水質劣化による減耗防止等の技術を確立し、二~数ヶ月間の浮遊幼生期を経て変態し着底の後得られる稚エビの量産実現を目指す。技術開発と並行し、事業としての幼生・稚エビ飼育装置の普及および稚エビ種苗の流通市場開拓を行う。続く最終目標は、技術開発および市場調査成果に立脚して、稚エビの量産・流通・販売のシステムを構築することである。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • フェーズI
    養殖種苗市場が求める甲殻類幼生育成技術を用いた甲殻類種苗生産装置のプロトタイプ開発、機能評価
    フェーズII
    高効率・低コストの甲殻類種苗生産技術確立
    (国立大学法人東京海洋大学 海洋科学部 田中 祐志)
  • フェーズI
    養殖放流用甲殻類種苗販売事業における技術動向調査・市場調査
    フェーズII
    甲殻類種苗販売事業のビジネスプラン作成
    (国立大学法人東京海洋大学社会連携推進共同研究センター 中村 宏)

期待される成果、効果

研究成果を基に設立されるベンチャー企業は、稚エビ種苗生産システムの普及および稚エビ種苗の安定供給に貢献する。これらにより、沿岸漁業資源の安定、地域の漁業と関連産業の活性向上、さらに高級食材であるイセエビ・ウチワエビ類の資源維持が期待される。

水産有用甲殻類の難飼育性種苗生産技術の開発