研究代表者氏名及び所属
木村 淳夫(国立大学法人北海道大学大学院農学研究院)
研究実施期間
平成21年度~25年度(5年間)
研究の趣旨・概要
メガロ糖は「構成単糖の重合度が10から多糖」をカバーする糖質の科学用語であり、オリゴ糖(重合度2~9を表す用語)と多糖の中間サイズを指す。イソマルトメガロ糖は、α-1,6 グルコシド結合で構成される。本研究は、1)メガロ糖生産技術の確立、2)生産技術の確立により初めて研究が可能になったメガロ糖の機能評価、を目標とし、酵素工学・タンパク質立体構造解析・動物生理試験・バイオナノ工学等の手法を用いてメガロ糖の豊かな機能を見出し、実用化への展開を目指すものである。これにより、メガロ糖を安定供給し、食品素材や機能性ナノ素材などの新たな利用形態の開発・生物系特定産業の発展等に資することを目指したい。
研究項目及び実施体制(()は研究分担者)
- 直鎖イソマルトメガロ糖と小型デキストランの生産技術開発 (国立大学法人北海道大学大学院農学研究院 木村淳夫)
- 高包接性環状イソマルトメガロ糖に関する生産技術・新素材の開発 (農研機構食品総合研究所 舟根和美)
- 酵素の立体構造解析によるイソマルトメガロ糖認識機構の解明 (独立行政法人農業生物資源研究所 藤本 瑞)
- イソマルトメガロ糖の生理作用評価 (国立大学法人北海道大学大学院農学研究院 石塚 敏)
- 酵素合成イソマルトメガロ糖の物性解明と機能性ナノ材料への展開 (公立大学法人大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 北村進一)
期待される成果、効果
本基礎研究の成果により新たな糖質素材(食品素材や機能性ナノ素材)の提供が可能になる。食品工業等の生物系特定産業のみならず他の産業分野への波及効果も高い。澱粉を原料とするため余剰穀物の利用促進にも貢献する。