研究代表者氏名及び所属
久保 友彦(国立大学法人北海道大学大学院農学研究院)
研究実施期間
平成21年度~25年度(5年間)
研究の趣旨・概要
植物の生殖機構を利用する上で、花粉の飛散を制御することが、品種改良や環境保全の観点から重要な研究テーマとして求められている。すなわち、優秀なF1品種を大量増殖する際には花粉は大量に求められるが、花粉症やGM花粉の流出による環境汚染が懸念される今日では、花粉が作られないことが望ましい。細胞質雄性不稔性はこうした需要に応えることができる農業形質であるが、遺伝的制御が難しい場合は実用化できない。しかしながら、雄性不稔性の発現機構が明らかになれば、花粉稔性回復の分子機構を利用した制御技術を開発するなど、さらなる発展の可能性がある。加えて、自然界には未知の制御機構が埋もれているようである。そこで、本研究ではテンサイ(サトウダイコン)における細胞質雄性不稔性や、その制御機構を解明し、得られた成果を花粉形成制御技術として他植物種へ移植するための基盤研究を行う。
研究項目及び実施体制(()は研究分担者)
- CMS発現機構の解析と人工Rfの開発
(国立大学法人北海道大学大学院農学研究院 久保友彦) - テンサイ花粉稔性回復に関わる新規遺伝子の遺伝解析
(農研機構北海道農業研究センター 田口和憲)
期待される成果、効果
細胞質雄性不稔性に対する新規の制御技術を提供し、農業生産物の生産力向上を促進する。