研究代表者氏名及び所属
辻 寛之(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科)
研究実施期間
平成21年度~25年度(5年間)
研究の趣旨・概要
開花の決定因子フロリゲン(Hd3aタンパク質)を植物に直接導入し、自由に開花させることを目指す。 フロリゲンは「花を咲かせるホルモン」としてその存在が提唱され、以来70年を経てその分子実体がHd3a/FTと呼ばれるタンパク質であることが明らかとなった。本研究では、膜透過ペプチドベクター*を用いてHd3aタンパク質を植物へ直接導入し開花促進する方法を確立する。同時にフロリゲンの作用メカニズムを詳細に解析し、その知見をアンチフロリゲンの開発を含めたフロリゲン高機能化へ適用する。*アルギニン残基に富むペプチド配列からなり、付加したタンパク質が細胞膜を透過可能となる。
研究項目及び実施体制(()は研究分担者)
- フロリゲンの高機能化と直接導入技術の確立
(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 辻 寛之) - 花卉等へのフロリゲン直接導入技術の構築、評価
(奈良県農業総合センター 浅尾浩史)
期待される成果、効果
フロリゲンの直接導入によって、花卉の出荷に合わせた開花調節や、これまで困難だったバイオマス作物、果樹などの開花調節に貢献できる。さらに、タンパク質によって生長制御する新しい技術創出への波及効果が期待できる。