生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2009年度 採択された研究課題

腸感染症管理用素材としてのチーズホエイの有効利用

研究代表者氏名及び所属

金丸 義敬
金丸 義敬(国立大学法人岐阜大学)

研究実施期間

平成21年度~23年度(3年間)

研究の趣旨・概要

牛乳および乳成分の高度利用の視点から、チーズ製造時に副産物として発生するホエイの有効活用の実現を目指す。本開発研究では、我々が新規に有効性の知見を得たウイルス感染阻害作用および下痢症状軽減化に有効なタンパク質がホエイ中に含まれていることに注目し、ウイルス感染が原因で起こるヒトおよび家畜の下痢症を予防・軽減するための管理用素材・補助食材の実用化に取り組む。すなわち、チーズホエイからのウイルス感染阻害作用および下痢症状軽減化に有効なタンパク質の濃縮を工業レベルで実用化するためのスケールアップ検討を行う。また、実用化の基盤となる下痢予防及び軽減化のメカニズムを解明し、該濃縮ホエイを幼動物(サル、ウシ、マウス)に投与することで、腸感染症管理用素材としてのホエイの有効性を評価する。

研究項目及び実施体制(()は研究分担者)

  • 抗ウイルス性乳タンパク質濃縮ホエイの活性評価と作用メカニズムの解明
    (国立大学法人岐阜大学 金丸義敬)
  • 抗ウイルス性乳タンパク質濃縮ホエイ製造方法の確立と前ヒト臨床試験(仔ザル試験)の実施
    (明治乳業株式会社 金子哲夫)
  • 仔ウシへの投与によるチーズホエイの腸感染症予防、軽減化の有効性評価(ホルスタイン種)
    (明治飼糧株式会社 増子孝則)
  • 仔ウシへの投与によるチーズホエイの腸感染症予防、軽減化の有効性評価(黒毛和種)
    (独立行政法人家畜改良センター 山内健治)

期待される成果、効果

本開発研究により、チーズ工場における抗ウイルス性乳タンパク質濃縮ホエイの工業スケールでの実用化基盤を確立し、国産ナチュラルチーズ生産の発展に貢献する。さらに、工業スケールで製造した抗ウイルス性乳タンパク質濃縮ホエイが、科学的根拠に基づく新たな家畜飼料原料および食品素材として提供される。

腸感染症管理用素材としてのチーズホエイの有効利用