生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2009年度 採択された研究課題

バナメイエビの人為催熟技術を利用した安定的な種苗生産の確立

研究代表者氏名及び所属

マーシー・ニコル・ワイルダー
マーシー・ニコル・ワイルダー(独立行政法人国際農林水産業研究センター)

研究実施期間

平成21年度~23年度(3年間)

研究の趣旨・概要

我々は安心安全な国産エビの生産システムの開発に取り組み、その結果、薬品を一切使用しない環境負荷の低い閉鎖循環式養殖システムを開発し、稚エビから出荷サイズまでの国産エビの生産技術の確立に成功した(平成16-20年度、異分野融合研究支援事業)。しかし、稚エビの供給は海外からの輸入に頼っており、このままでは、エビの国内生産が安定しない。また、海外からの病気の侵入等のリスクも存在するため、健康な稚エビの国産化が急務である。本課題では、親エビ→卵→幼生→稚エビ→次世代親エビ、という完全な生産サイクルを国内で可能にする技術開発に取り組む。親エビの催熟技術の効率化、親エビと種苗(卵、幼生、稚エビ)の育成に適した閉鎖循環式システムの構築、ならびに種苗大量生産のための環境と飼料の開発を行い、稚エビの国産化および安定供給を目指す。

研究項目及び実施体制(()は研究分担者)

生殖機構の解明によるバナメイ親エビの人為催熟技術の開発
(独立行政法人国際農林水産業研究センター マーシー・ニコル・ワイルダー)

閉鎖循環式種苗生産システムの開発
(株式会社アイ・エム・ティー 野原節雄)

種苗の大量生産技術の開発
(日清マリンテック株式会社 熊坂清弘)

期待される成果、効果

年間2~4億尾の稚エビを安定的に生産することにより、安全な国産エビの安定提供が可能になり、自給率の向上に寄与する。エビの自給率が10%上がれば、概算で300億円規模のエビ生産業の創出となる。エビ生産業の創出により、餌、養殖関連資材、食品加工、外食産業など、新たな雇用の創出や、遊休地の有効利用に貢献する。

バナメイエビの人為催熟技術を利用した安定的な種苗生産の確立