研究代表者氏名及び所属
佐藤 裕
(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター)
研究実施期間
平成22年度~26年度(5年間)
研究の趣旨・概要
これまで多くの研究者がストレス耐性遺伝子を導入することによりイネの耐冷性を向上させようと試みてきたが、提案者らは、耐冷性強品種では低温下でもストレス耐性遺伝子群がほとんど誘導されず、逆に耐冷性弱品種の方で多くのストレス耐性遺伝子群が誘導されることを発見した。すなわち、低温に鋭敏に反応するのではなく、むしろ鈍感な方が耐冷性が強く、生育や器官形成に必要な遺伝子群の発現パターンを低温下でも常温時と同様に維持できており、我々はこの現象を「低温鈍感力」と名付けた。本提案課題は、低温鈍感力をもたらす仕組みを解明し、その評価法を確立し、新たな耐冷性育種法を開発しようとするものである。