研究代表者氏名及び所属
黒田 俊一
(名古屋大学大学院生命農学研究科)
研究実施期間
平成22年度~26年度(5年間)
研究の趣旨・概要
従来型ワクチンは、体内に異種抗原を導入し、偶発的に遭遇した抗原提示細胞により認識され取り込まれて免疫効果を惹起していた。最近開発中のナノキャリア(リポソーム、ナノミセル等)を応用したワクチンは、抗原提示細胞が好む形状を有することにより、受動的に同細胞に認識され取り込まれて免疫効果を誘導する。本研究では、能動的標的化機構と感染機構を有するウイルスと、広範な物質を包含するリポソームのハイブリッドである「バイオナノカプセル」を応用し、生体内で抗原提示細胞を探し出して、積極的に同細胞に認識させ取り込ませることを目指す。これにより、比較的安全だが免疫効果の低かったサブユニットワクチン及びDNAワクチンを、少ない接種回数、充分な感染防御能、多価抗原、高安全性、高緊急対応性、高経済性を特長とするワクチンに改良できることが期待される。