研究代表者氏名及び所属
相沢 智康
(北海道大学大学院先端生命科学研究院)
研究実施期間
平成22年度~24年度(3年間)
研究の趣旨・概要
現在、抗体を用いた食中毒原因微生物の検査技術が広く用いられているが、感度や性能の点で現場が要求する性能を完全に満たしているわけではない。抗菌ペプチドは微生物に対して選択的に結合する性質を持つことから、抗体に代わり幅広い微生物を検出するプローブとしての応用が期待できる。特に、低分子量であるため微生物に対して高い結合量が得られること、配列改変による機能改変も容易であることなど、抗体と比較していくつかの大きな利点を備えている。そこで本研究課題では、抗菌ペプチドを微生物検出用標識プローブとして用いた食中毒原因微生物用の高感度迅速検査システムを開発することを目的とする。抗菌ペプチドの立体構造情報や相互作用情報を基に、糖鎖を認識する抗体やレクチンとは本質的に異なる微生物認識機構を有する抗菌ペプチドの特徴を生かした検出系の開発を進め、微生物検査技術の高感度化、高性能化を目指す。