生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2010年度 採択された研究課題

ブタ凍結精液の受託生産を目指した精液輸送液,人工精漿の開発

研究代表者氏名及び所属

島田 昌之
(広島大学大学院生物圏科学研究科)

研究実施期間

平成22年度~24年度(3年間)
平成22年度(フェーズI)
平成23年度~24年度(フェーズII)

研究の趣旨・概要

ブタにおける凍結精液を用いた人工授精法の確立は、計画的生産、種雄の飼育コストの低減、育種効率の改善および遺伝資源の安価な保存を可能とする。我々は、精子処理・凍結条件、融解・人工授精条件を最適化し、新鮮精液の人工授精と同等以上の成績が得られる凍結精液を用いた人工授精法を考案した。この技術を幅広く養豚家へ提供するには、凍結精液を作成する機関(受託生産者)が必要となる。この受託生産のためには、精子機能を低下させずに受託機関まで精液を輸送する技術を開発しなければならない。また、高い繁殖成績をもたらす人工授精用希釈液の開発も必要となる。これらのことから、本研究課題は、精液のもつ「精子機能への負の作用」と「子宮環境を妊娠期へと移行させる作用」の両者に着目し、in vitroとin vivoアッセイ系を用いてこれらの作用の原因となる因子を同定することにより、精液輸送液と人工授精用の人工精漿を開発する。