研究代表者氏名及び所属
鳥山 欽哉
(国立大学法人東北大学大学院農学研究科)
研究実施期間
平成23年度~27年度(5年間)
研究の趣旨・概要
ハイブリッドライス(一代雑種イネ)は、通常の品種と比較して15~30%の収量増が期待され、中国を始め世界全体のイネの栽培面積の13%を占めている。現在、ほとんどのハイブリッドライスがWA型雄性不稔細胞質(WA-CMS)を利用しており、単一の細胞質を持つ品種が広く栽培されることに伴う病害虫感染蔓延等のリスクを回避するためCMS細胞質の多様化が求められている。
本研究ではWA-CMSに代替可能な野生イネ(O. rufipogon)由来の複数の優れた細胞質雄性不稔系統(CMS系統)とハイブリッド種子生産に必要な稔性回復系統の開発と特許化を目指す。それぞれのミトコンドリアゲノムに存在する雄性不稔原因遺伝子の特定、雄性不稔性発現および稔性回復の機構に関する分子基盤を明らかにし、ハイブリッドライス育種の実用化に使える日本オリジナルのCMS系統および稔性回復遺伝子を集積したスーパー稔性回復系統の育種素材を開発する。これによって、国内種苗産業の国際競争力の強化、また、将来的な国産米の生産性と輸出力の向上のための基盤構築を目指す。