生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2000年度 事後評価結果

乾燥・塩ストレス耐性の分子機構の解明と分子育種への応用

(農林水産省国際農林水産業研究センター 篠崎和子)    

評価結果概要

全体評価

本研究は、中課題(1)及び(2)が一体的となり、シロイヌナズナを中心に、それにイネやカウピーを加えて、乾燥や塩等の環境ストレスに関わる機能遺伝子群や、その調節遺伝子群を分子生物学的及び分子遺伝学的手法を用いて単離するとともに、これらの機能に関して生化学的解析手法も加えて広範に研究を展開し、極めて優れた成果を挙げた。

中課題別評価

(1)乾燥・塩ストレス耐性機構の分子生物学的解析と育種への利用
(農林水産省国際農林水産業研究センター 篠崎和子)    

乾燥・塩ストレス応答遺伝子の発現を制御する転写因子やABAによる遺伝子発現制御に関わる転写因子などの遺伝子を単離するとともに、乾燥・塩ストレス誘導性プロモーターを単離し、得られたプロモーターと転写因子の遺伝子を組み合わせて植物体に導入し、低温・乾燥・塩ストレス耐性度の増強を実証するなど大きな成果を挙げた。

(2)乾燥・塩ストレス耐性機構の分子遺伝学的解析
(理化学研究所 篠崎一雄)    

T-DNAタギング法等による環境ストレス耐性変異株や環境ストレス感受性変異株の作成と、cDNAマイクロアレイ法によって乾燥・塩ストレス応答、耐性に関与する遺伝子群を単離し、それらの機能解析を行った。