生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2000年度 事後評価結果

ドメインシャッフリングによる高機能キメラ酵素の創出と植物における発現

(農林水産省 食品総合研究所 林 清)

評価結果概要

全体評価

自然界に存在する酵素を改変して新しい特性を持たせることにより、産業的利用に供させるため、基礎的レベルでしっかりとした成果を積み上げ、これに基づいて実用上の展開を目的としたものであり、得られた成果は意図した方向に沿ったものであり、学術上並びに実用上の両面で価値あるものと考えて支障がないと判断される。

中課題別評価

(1)メインシャッフリングによる高機能キメラ酵素の創出
(農林水産省 食品総合研究所 林 清)    

酵素遺伝子の特定領域(ドメイン、モジュール)を他の酵素遺伝子とシャッフリングする手法を深化・発展させ、キメラ酵素の活性型構築のための高効率フォールディングの技術開発などに顕著な成果を得た。キメラ酵素の創出に関して特許出願・取得件数や発表論文も多く、かなりな成果が得られたと判断する。

(2)高機能キメラ酵素の植物における発現
(三重大学 生物資源学部 大宮邦雄)    

 セルラーゼやキシラナーゼのタバコやイネでの発現は飼料利用効率の向上に将来貢献すると期待され、キメラセルラーゼの作成と植物体内での発現により、バイオマスの消化性の向上の可能性を示したことは意義が大きい。