生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2000年度 事後評価結果

ペプチド性植物増殖因子に関する基礎的研究

(名古屋大学大学院生命農学研究科 坂神洋次)    

評価結果概要

全体評価

総括研究代表者らが、世界に先駆けて発見したペプチド性植物増殖因子ファイトスルフォカイン(PSK)について、二つの中課題を担当する機関が、連携を密にして総合的研究を実施し、PSKが植物に普遍的に存在する重要な細胞増殖因子であることを明らかにした。

中課題別評価

(1)ペプチド性植物増殖因子に関する生物有機化学的研究
(名古屋大学大学院生命農学研究科 坂神洋次)    

ペプチド性植物増殖因子PSK-αとPSK-βが植物に広く存在し、これらが植物の細胞増殖促進効果を持つこと見出すとともに、イネ及びシロイヌナズナからPSK前駆体遺伝子をクローニングした。PSKの受容体については、ある程度まで進んだが、遺伝子の単離に至らなかった。

(2)ペプチド性植物増殖因子に関する生理学的研究
(筑波大学生物科学系 鎌田 博)    

PSKの生理作用に関し、当初予想されたようなドラスチックな作用が見出せなかったが、タバコ、ニンジン、キュウリ、イネ、キンギョソウ、ベゴニア、トレニアなど多くの植物を対象に個体、組織、細胞レベルで解明した。