生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2001年度 事後評価結果

特異性改変植物レクチンライブラリーの作成と細胞交通プローブとしての利用

(東京大学大学院薬学研究科 入村達郎)

評価結果概要

全体評価

レクチンは糖鎖を特異的に認識して結合、架橋形成するタンパク質であり、細胞の相互作用を制御する働きを持つことから、新しい生物学の領域を切り開くツールとして高い利用価値を持つ可能性がある。本研究は、植物レクチンを動物用に改変してライブラリーを作り、さらに有用なものを選別する方法を確立して、これらを実際に糖鎖生物学の新しい領域に利用しようとしたものである。その結果、改変レクチンが、体内を移動する細胞のプローブとして利用可能なこと、そして細胞の移動と病態とが関係すること、改変レクチンが病原菌の感染防御に利用できること、また、改変レクチンを用いて細胞の分別同定が可能であることなどを明らかにした。これらの成果は今後広く応用され得る基礎研究であり、その成果は高く評価される。