生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2001年度 事後評価結果

金属タンパク質の界面電子移動制御と生物機能の高度利用

(熊本大学工学部 谷口 功)    

評価結果概要

全体評価

この研究は基礎研究、応用研究、地域および我が国の食品関連産業全般への寄与、次世代新規産業の展開など多様な目標を実現するために行われたことになっており、シトクロムc、シトクロムb-562、フェレドキシン、ミオグロビンおよびそれらの変異分子について、プロモーター修飾電極における電気化学測定、プローブ顕微鏡、表面赤外分光からこれらのタンパク質の構造や電極表面構造と電極電子移動速度との関係について多くの実験的知見を得ている点は成果として挙げることができる。また、フェレドキシンの電極反応と共役したFNR反応によってNADPをNADPHに還元する研究などは学術上の成果として評価できる。しかし、基礎研究以外の実用上の観点からは本研究結果全体を通して見るべき成果が得られたとはいえない。このような内容の研究から、上記の成果を期待することにもともと無理があったと言える。採択されるために研究内容と研究目標を無理に結びつけた感は否めない。