生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2003年度 事後評価結果

NMRによる機能未知タンパク質の動的構造解析と機能の推定に関する基礎的研究

((独)農業生物資源研究所 山崎 俊正)

評価結果概要

本プロジェクトは、タンパク質の機能が立体構造と分子運動性とによって構築されている点に注目し、NMR解析法を駆使して高精度かつ迅速にタンパク質機能を予測・特定する研究法を開発しようとしたものである。
その結果、研究代表者が提唱したトポケミストリー解析法が、タンパク質の機能や機能部位を解明する重要な方法論となる可能性を、明らかにするとともに、分子運動情報を指標として、タンパク質機能を高精度で予測することに関し、今後の発展の基盤となる成果を得ている。 研究成果としてあげられた個々の研究内容のレベル、インパクトは高く、独創的であり、基礎研究として高く評価できる。
本研究を通じて、NMR法で得られたタンパク質の立体構造情報、分子表面のトポケミストリー情報を有機的に用いて、タンパク質の分子機能を予測・特定できる手法が構築できたと考えられ、構造ゲノム科学を推進するための強力な武器を提供するものと期待される。