生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2003年度 事後評価結果

穀類細胞への新たな遺伝子導入法の開発

(国立遺伝学研究所 野々村 賢一)

評価結果概要

本研究はイネを材料として、その育種の新たなシステム構築へ向けての、細胞分裂や、減数分裂に係わる遺伝子群の解明をめざしたもので、きわめて基礎的な研究といえる。
研究者は動原体特異的な配列や遺伝子を同定し、それらの染色体上の分布や特徴を明らかにしたほか減数分裂特異的な遺伝子を明確にするなど一定の成果をあげた。しかし、採択時の期待に応えられたのかというと、飛び抜けて優れた成果を挙げたということは残念ながら言えない。リーダーとポスドク2人の小グループでは余りにも乗り越えるべきハードルが高かったと言えよう。テーマや課題が非常に魅力的であったことが、採択された一つの要因であろうが、基礎的研究としての研究手法・解析手法等どのように研究を展開させるかという研究者自身の戦略の工夫が十分ではなかったことが残念であった。
本研究制度による研究支援が、今後の研究の基礎となるようにすべく、これまでの成果を十分に活用して研究を発展させることを強く期待したい。