生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1998年度 中間評価結果

臓器移植医療に応用するためのブタの品種改良・増産に関する研究

(大阪大学医学部 白倉 良太)    

評価結果概要

全体評価

ほぼ計画どおりの進捗である。
この研究で開発される技術や知見がすぐに最終目標に結びつくわけではないが、異種間臓器移植の臨床応用の可能性を様々な観点から解析しており、評価できる。
なお、臓器移植後の各種ウイルス・バクテリアなどの感染は、本研究課題に特異的な問題であるとともにヒトへの臨床応用に際しては重大な問題であるので、今後重点的な研究が必要であり、この観点から研究計画の再編が必要である。

中課題別評価

(1)異種移植の臨床応用に関する基礎的研究
(大阪大学医学部 白倉 良太)

研究は順調に進められ、得られた成果のレベルも高い。(3)の研究内容については今後本課題の中で分担する。

(2)ブタにおける遺伝子工学・発生工学に関する基礎的研究
(日本ハム中央研究所 重久 保)    

トランスジェニックブタの作出は高く評価される。いくつかのトランスジェニックラインでは、卵子や精子を凍結保存により維持していく必要があり、これに関する技術の確立を大阪大学と連携して進める必要がある。

(3)超急性拒絶反応の発生機序
(大阪府成人病センター 瀬谷 司)    

感染症対策の研究は世界的にみてもユニークであり、得られた成果の学術的なレベルも高い。今後は人畜共通感染症とその伝染感染に関する基礎的研究を設定して重点的に取り組むこと。