生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1998年度 中間評価結果

ドメインシャッフリングによる高機能キメラ酵素の創出と植物における発現

(農林水産省食品総合研究所 林 清)    

評価結果概要

全体評価

研究目標の設定に関して、遺伝子シャッフリングの方法論の確立か、産業的に有用な酵素を創製するのか必ずしも明確でない面もみられるが、ドメインシャッフリングにより活性型の酵素を創出する技術を確立できた等成果を上げており、総合的にみると研究の進捗状況は順調である。
計画どおり継続することとするが、セルラーゼのキメラ化に課題間の連携を図ることが重要。

中課題別評価

(1)ドメインシャッフリングによる高機能キメラ酵素の創出
(農林水産省食品総合研究所 林 清)    

若干当初目標と異なる部分があるが、耐熱性に与えるシャッフリング効果等の成果を上げている。
計画どおり継続することとするが、ドメインの機能分担が明らかなエンドグルカナーゼのドメインシャッフリングによる高機能化に重点を置くこと。

(2)高機能キメラ酵素の植物における発現
(三重大学生物資源学部 大宮 邦雄)    

キメラ酵素を導入する作物を牧草からイネに変更した点に若干問題はあるが、キメラ酵素の創出、その遺伝子の植物体への導入、その発現の確認等の成果を上げている。
計画どおり継続することとし、複数のセルラーゼ系及びヘミセルラーゼ系酵素を導入した植物体を作成し、それらの解析を行うとともに、トランスジェニック植物体の観察を十分に行うべきである。