生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1998年度 中間評価結果

光過剰による光合成抑制機構の解明と遺伝子導入による回避システムの開発

(農林水産省農業生物資源研究所 徳富 光恵)

評価結果概要

全体評価

中課題(3)については(1)、(2)ほどの成果が上がっていないものの、全体としては課題間の連携も緊密で、画期的な成果が上がっている。当初計画を変更する必要はない。

中課題別評価

(1)光合成効率の低下要因の解明と遺伝子導入による光合成効率の改良
(農林水産省農業生物資源研究所 徳富 光恵)

中課題(2)との連携の下で、トウモロコシのC4光合成回路に必要な3酵素をイネで高発現させることに世界に先駆けて成功するとともに、HSP20遺伝子導入による高温耐性付与等の成果を上げており、高く評価される。

(2)C3植物へのC4光合成回路の付与
(名古屋大学生物分子応答研究センター 松岡 信)

トウモロコシのC4光合成回路に必要な3酵素をイネで高発現させることに世界に先駆けて成功した。
遺伝子導入用のコンストラクトの作成、C3植物からC4植物の進化の研究を含め、優れた研究である。

(3)遺伝子導入による芝草の光合成機能と環境ストレス耐性の向上
(株式会社ジェイツー 趙 徹)

対象作物にベントグラスを選んだために、他の課題に比べ研究の進行が遅れているが、今後他の中課題との連携を深めることにより、高温や強光耐性のベントグラスの素材を作成できる可能性がある。