生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2001年度 中間評価結果

進化工学手法によるシロアリセルラーゼの改変と高効率セルロース糖化系の開発

((独)農業生物資源研究所 渡辺裕文)    

評価結果概要

本研究は、シロアリのセルロース分解系が微生物由来のそれと比較して単純であることに着目し、シロアリを中心とした食材性昆虫由来のセルラーゼ遺伝子の探索・改変・選抜による効率の高い新規セルロース分解系の構築を目指している。これまでに、シロアリ由来セルラーゼ遺伝子を38種クローニングし、遺伝子シャフリングに関連した基盤を整備するなど研究の進展は順調であり、今後の展開方向として計画どおりの取り組みで問題ないと思われる。しかし、目標とする改変セルラーゼの性質が必ずしも明確でないので、これを明確にし、選抜するためのスクリーニング法についても一層の改善をおこなう必要がある。また、酵素化学的性質についても既存のセルラーゼと比較することにより、動物(シロアリ)由来セルラーゼの特色を明らかにすることが望まれる。