(東京大学大学院農学生命科学研究科 塩田 邦郎)
評価結果概要
DNAメチル化パターンにおける器官特異性のデータをはじめ、報告された研究成果は、基礎生物学的に極めて重要な知見であることはもちろん、全体としてそれに続く研究の基盤となるもので、畜産学、育種学の分野でも看過できない問題を提起している。これらの知見は、いずれも国際的に評価できる研究成果であり、発生・分化の面でのゲノムの生物学的機能の面を理解するうえで、大きな発展が見込まれ、第1級の仕事となることが期待される。今後は、手を広げすぎて研究が散漫になることのないよう、取り上げる問題点を絞り、どれを重点的に進めるかを十分検討して、チームの力を集中することに意を用いるべきである。