研究項目及び実施体制(◎は研究代表者)
- 細胞融合によるニワトリモノクローナル抗体の作成技術の開発
- 組み換えニワトリモノクローナル抗体の作成技術の開発
(◎松田治男/広島大学大学院生物圏科学研究科) - ニワトリモノクローナル抗体の糖鎖構造解析による新規利用の検討
(西村敏英/広島大学大学院生物圏科学研究科) - ニワトリモノクローナル抗体の実用化技術の構築
(古澤修一/広島大学大学院生物圏科学研究科)
研究の目的
ニワトリ抗体の特性を生かすことで、ニワトリ抗体の多様な活用の可能性が期待できるようになってきた。細胞融合技術によるマウスモノクローナル抗体作成技術がニワトリにおいても取り入れられたが、その実用的活用には、克服しなければならない様々な技術開発と基礎研究が望まれた。本研究では、ニワトリモノクローナル抗体の優れた特性に着目し、ニワトリモノクローナル抗体の新しい作成技術と実用化技術の開発を目的とした。
研究の内容
ニワトリモノクローナル抗体について、効率よい細胞融合法の確立、遺伝子組み換え技術による多彩な組み換え抗体の作成技術の構築、ニワトリ抗体の糖鎖構造の解析とニワトリ抗体親和性レクチンの探索、そして、ニワトリモノクローナル抗体の実用化のための技術開発等をおこなった。
主要な成果
- 純系ニワトリに移植可能な細胞融合用細胞株の樹立とハイブリドーマの効果的維持のためのIL-6の活用
- 組み換えニワトリ抗体発現用ベクターの開発とCHO細胞によるニワトリ抗体の大量生産系の確立
- ニワトリ抗体の糖鎖解析を通したニワトリ抗体精製用新規海藻レクチンの発見
- ニワトリ×ヒトキメラ抗体の大量生産系の構築
見込まれる波及効果
- ニワトリモノクローナル抗体を用いた新規な抗体検査薬
- 家畜をはじめ小動物やヒトを対象としたニワトリモノクローナル抗体の抗体医薬としての活用
主な発表論文
- Nakamura N., et al. Construction of recombinant monoclonal antibodies from a chicken hybridoma line secreting specific antibody. Cytotechnol. 31:191-198 (2000)
- Nakamura N., et al. Two expression vectors for the phage-displayed chicken monoclonal antibody. J. Immunol. Methods280:157-164 (2003)
- Horiuchi H., et al. Chicken leukemia inhibitory factor maintains chicken embryonic stem cells in the undifferented state. J.Biol. Chem. 279:24514-24520 (2004)
- Nakamura N., et al. Establishment of a chicken monoclonal antibody panel against mammalian prion protein. J. Vet.Med. Sci. 66:807-814 (2004)
- Nhishibori N., et al. Expression vectors for chicken-human chimeric antibodies. Biologicals 32 : 213-218(2004)Yoshimura, H., et al.: Identification and characterization of a novel cAMP receptor protein in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803. J. Biol. Chem., 275, 6241-6245 (2000)
研究のイメージ
