研究代表者氏名及び所属
佐々木 卓治(農林水産省農業生物資源研究所)
研究実施期間
平成8年度~13年度
研究の趣旨・概要
イネの全遺伝子情報を解明し、新規な育種への応用をめざしたイネゲノム解析研究は、その開始から5年を経て、遺伝地図の作成、物理地図の作成および発現遺伝子の捕捉、の3主要課題のかなりの 部分を達成しつつある。
一方、本研究で対象とする量的形質(QTL)は、複数の遺伝子が関与し、またその発現に環境要因が複雑に影響を及ぼすことから、今日まで単純なメンデルの遺伝法則では詳細な解析が行えずにいた遺伝形質であるが、穀粒の大きさ、草丈の高さ、各種病害への抵抗性、各種気象環境への適応性など農業上重要な形質の大半はQTLであり、その遺伝的解明が急務となっている。
このため、本研究では、これまでのゲノム解析研究により、これら複雑なQTLの遺伝解析と、QTLを構成する各遺伝子が相互にどのようにQTL全体に寄与しているのかを知ることが可能となりつつあることを踏まえ、従来の遺伝解析法も組み合わせながら、環境適応性形質である病害抵抗性や気象災害抵抗性形質を具体的な対象QTLとして、その解析を行うことにより、イネQTL解析技術の確立、環境適応性等を有する作物の開発に資する。
研究項目及び研究担当者
- 実験系統群の作出および環境適応性形質の評価
(九州大学農学部 吉村 淳) - 環境適応性形質の遺伝解析
(農林水産省農業生物資源研究所 佐々木 卓治) - 環境適応性形質関連遺伝子の単離およびその発現機構の解析
((社)農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所 山本 公子)