研究代表者及び所属
林 清(農林水産省 食品総合研究所)
研究実施期間
平成8年度 ~12年度
研究の趣旨・概要
酵素遺伝子の一部をシャッフリング(置換)することにより、耐熱性などの機能が向上したキメラ酵素を作出することが可能となりつつあるが、シャッフリング領域の特定方法、遺伝子上の任意の部位でのシャッフリング技術、キメラ酵素を活性型酵素としてフォールデイングする(折れたたみ)技術等はいまだ試行錯誤の状態にある。
このため本研究では、産業的に有用性の高いセルラーゼを対象として、酵素遺伝子の特定の領域(ドメイン)を他の酵素遺伝子の領域とシャッフリングさせる手法(ドメインシャッフリング)を深化、発展させるとともに、フォールデイング手法を活用することにより、熱安定性や基質特異性が大幅に向上した、 高機能キメラ酵素の創出をめざす。
さらに、キメラ酵素遺伝子を植物体で発現させ、繊維組織に「緩み」をもたせたり、収穫後強力なセルラーゼを発現させて、組織内部から繊維分解を促進する「組換え植物」体を構築し、バイオマスの効率的な食飼料化技術に資する。また、本研究で得られたシャッフリング技術は、食品産業上重要な様々な酵素に適応することが可能であり、安定性の優れた種々のキメラ酵素を作出することが期待できる。
研究項目及び研究担当者
- ドメインシャッフリングによる高機能キメラ酵素の創出
(農林水産省食品総合研究所 林 清 ) - 高機能キメラ酵素の植物における発現
(三重大学生物資源学部 大宮 邦雄)