生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1997年度 採択された研究課題

エリシターシグナル伝達過程の解析に基づく高度環境適応性 作物開発のための基礎研究

研究代表者氏名及び所属

渋谷 直人 (農林水産省農業生物資源研究所)

研究期間

平成9年度~13年度(5年間)

研究の趣旨・概要

高等植物は自由に移動できない反面、病害虫を含む種々のストレスに対して耐え得るような独自の機構を発達させてきている。植物が病害や環境ストレスを感知し、必要な遺伝情報を発現することによって環境耐性を獲得する分子的な機構を明らかにすることは、こうしたストレスに耐性を示す作物・植物を開発する上で不可欠である。
本研究では、植物が病原菌由来のシグナル分子(エリシター)を認識し、細胞内・細胞間シグナル伝達経路を経て生体防御関連遺伝子の発現を誘導するメカニズムを明らかにすることにより、植物の外界からの刺激に対する応答や適応能力をシグナルの検出と伝達という最も基本的なレベルで制御する革新的な技術開発の基盤を確立することを目指す。
具体的には、イネ培養細胞及び植物体を用い、エリシター及びその受容体の分子構造と機能、細胞内・細胞間のシグナル伝達機構、エリシター応答性遺伝子の機能と発現調節機構を生化学、分子生物学,細胞生物学等の手法を総合して解析し、エリシターの認識・伝達の過程を分子レベルで明らかにする。

研究項目及び実施体制(( )は研究担当責任者)

  • エリシターの構造・機能解析
    (農業生物資源研究所 渋谷 直人)
  • エリシターシグナルの受容・伝達過程の生化学的解析
    (農業生物資源研究所 賀来 華江)
  • 細胞内シグナル伝達過程の分子細胞生理学的解析
    (農業生物資源研究所 朽津 和幸)
  • エリシター応答性遺伝子の機能と発現調節機構の解析
    (農業生物資源研究所 南 栄一)
  • 植物体レベルでのシグナル伝達過程の解析
    (農業生物資源研究所 南 栄一)

研究のイメージ

エリシターシグナル伝達過程の解析に基づく高度環境適応性 作物開発のための基礎研究