生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1997年度 採択された研究課題

絹タンパク質の構造-物性相関の徹底解明とバイオセンシングシステム等への応用

総括研究代表者氏名及び所属

朝倉 哲郎 (東京農工大学工学部)

研究実施期間

平成9年度~13年度(5年間)

研究の趣旨・概要

絹は、従来、衣料としての利用が中心であったが、様々な優れた特性をもつ絹繊維は、その構造・物性等の徹底解明を行い、それに基づく新しい利用技術を開発することによって、新たな利用分野の展開と需要拡大が期待される。一方、絹繊維の優れた特性は、基本的には絹タンパク質の構造(結晶と非晶からなる構造)に起因するが、それらの構造やそれに関連する物性は、いまだ十分に解明されていない。
本研究では、絹タンパク質の結晶及び非晶構造を固体核磁気共鳴(NMR)分析法を駆使して原子レベルで徹底的に解析し、絹タンパク質の構造と機能の関係を明らかにする。また、それらの知見を基に、紫外線吸収性、抗菌性等の機能を付与した医療用繊維や環境に優しい釣り糸等新規機能を持つ絹繊維の開発を行うとともに、絹タンパク質の持つ分子認識物質(酵素、ペプチド等)固定化能力を生かしたバイオセンサーの開発及びその医療、食品、発酵、環境等の分野への応用システム(バイオセンシングシステム)等の開発を行う。

研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)

  • 絹タンパク質の構造-物性相関の解明と機能分子設計
    (東京農工大学工学部 朝倉 哲郎)
  • 絹タンパク質を用いたバイオセンシングシステム等の開発
    ((財)大日本蚕糸会蚕糸科学研究所 勝野 盛夫)

研究のイメージ

絹タンパク質の構造-物性相関の徹底解明とバイオセンシングシステム等への応用