総括研究代表者氏名及び所属
大山 莞爾 (京都大学大学院農学研究科)
研究実施期間
平成9年度~13年度(5年間)
研究の趣旨・概要
植物の生殖器官分化や性型(雄・雌)を遺伝子レベルで制御する技術の確立は、植物の生産効率向上や品種改良に大きく貢献すると考えられる。
一方、植物の性の制御は、単一の遺伝子の機能発現の結果ではなく、数多くの遺伝子が複雑に相互作用し合っており、特に性染色体によって性が制御されている植物では、性染色体上の遺伝子が中心的な役割を果たしていると考えられる。
本研究では、生活環のほとんどが半数体であり8本の常染色体と1本の微小性染色体(雌株はX染色体、雄株はY染色体)を持つ、雌雄異株の苔類ゼニゴケを用いて、雌雄それぞれの性染色体の全構造を決定するとともに、その構造解析から性染色体全ての遺伝子について、その機能を統一的に解析し、生殖器官分化に関与する遺伝子を探索する。さらに、こうして得られた遺伝子を遺伝子導入法により高等植物に導入することにより生殖器官の分化を制御する機構を解明し、植物における性制御技術の開発を目指す。
研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)
- 植物性染色体の全構造決定に基づく性制御技術の開発
(京都大学大学院農学研究科 大山 莞爾) - 性染色体単離による性染色体特異的遺伝子群の単離
(農林水産省農業生物資源研究所 中山 繁樹)