生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1998年度 採択された研究課題

細胞に作らせる糖鎖ライブラリーと機能性糖鎖高分子

総括研究代表者氏名及び所属

佐藤 智典(東京工業大学生命理工学部)

研究実施期間

平成10年度~14年度(5年間)

研究の趣旨・概要

糖鎖生物学の進展に伴い、生体反応における糖鎖の多彩な機能が明らかにされてきたが、その成果は殆ど産業に生かされない。その最大の要因は、肝心な糖鎖の供給が大変困難であること、すなわち、糖鎖を化学合成により供給することが実際上不可能であり、糖加水分解酵素の逆反応で合成する試みもまだ実用レベルには至っていないことに帰せられる。
本研究は、各種の動・植物細胞を細胞工場として利用するという全く新しい発想により、1)「糖鎖プライマー」を細胞に与え、糖鎖を付加・分泌させる方法と、2)遺伝子組み換え法の二つの方法を用いて、糖鎖ライブラリーを構築することを第1の目標とする。さらに、これらを素材とした機能性糖鎖高分子の作出を目指す。 本研究成果に基づく、新たな高機能性糖鎖の供給は、食品の品質保持・向上、食品・医薬品の機能向上、多様な新規機能性素材の開発などを可能とし、新産業の創出に大きく寄与するものと期待される。

研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)

  • 糖鎖ライブラリーの作製と糖鎖高分子の開発
    (東京工業大学生命理工学部 佐藤 智典)
  • 糖鎖プライマーの細胞生物学的影響の評価
    ((財)日本皮革研究所 山形 達也)

研究のイメージ

細胞に作らせる糖鎖ライブラリーと機能性糖鎖高分子