総括研究代表者氏名及び所属
高辻 博志(農林水産省農業生物資源研究所)
研究実施期間
平成10年度~14年度(5年間)
研究の趣旨・概要
植物の形態形成は、生物の生産性や作業効率ならびに園芸植物の鑑賞価値など農産業と深く関わっている。遺伝的プログラムによって巧妙に仕組まれた形態形成制御の分子機構を解明し、その理解に基づいて植物の形態を任意に制御できれば農業・園芸に貢献するところは大きい。形態形成の制御には転写因子が中心的な役割を担っていることが知られており、転写因子の機能を明らかにすることが形態形成の分子機構を解明する突破口になると考えられる。
研究代表者らはこれまで、ジンクフィンガー型およびホメオドメイン型の転写因子をそれぞれ多数同定し、その中のいくつかについては、枝分かれ、茎の節間伸長、雌雄生殖器官の形成、太陽光による伸長制御、葉の老化などの重要な現象の制御にそれぞれ関与していることを明らかにしてきた。
本研究では、発現誘導系や遺伝子破壊などの新しい技術を用いてそれぞれの転写因子の機能を深く解明し、個々の現象の分子機構の理解を深めることを目指す。また、解明した分子機構に基づいて植物の形態を遺伝子工学的に改変するための基本的ストラテジーを開発することを目標とする。
研究項目及び実施体制(( )は研究代表者)
- 植物の形態形成を制御するジンクフィンガー型転写因子の機能解析
(農林水産省農業生物資源研究所 高辻 博志) - 植物の形態形成の可変性を支配するホメオドメイン型転写因子の解析
(京都大学化学研究所 青山 卓史)