生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

1999年度 採択された研究課題

NMRによる機能未知タンパク質の動的構造解析と機能の推定に関する基礎的研究

研究代表者氏名及び所属

山崎 俊正 (農林水産省農業生物資源研究所)

研究実施期間

平成11年度~15年度

研究の趣旨・概要

世界的なゲノムプロジェクトの進展により、ヒトやイネをはじめとする様々な生物種でゲノム塩基配列が決定され、膨大な数の機能未知タンパク質が存在することが明らかにされた。これら機能未知タンパク質の構造と機能の相関を解明することは、新機能物質の分子設計や生体機能制御等のバイオテクノロジー分野に大きく道を拓くと期待される。しかしながら、機能未知タンパク質の分子機能を特定する効率的なアプローチを確立するには至っていない。
本研究では、機能未知タンパク質の構造と機能の相関を効率的に解明するために、タンパク質の機能が立体構造と分子運動性により精緻に制御されていることに着目して、1)タンパク質のNMR解析から得られる立体構造情報、分子運動性情報及び分子表面のトポケミストリー(機能性残基の空間配置)情報を有機的に用い、高精度かつ迅速にタンパク質機能を予測・特定する新しい研究方法を確立する。2)確立した研究方法を機能未知のイネ遺伝子産物等に適用して、アプローチの重要性と有効性を検証する。

本研究で得られる成果は、合目的な新規特性を有する作物の開発、成長の促進と制御、食品加工等に有用な酵素の創出等に大きく貢献すると同時に、ポストシーケンス時代のゲノム研究に新たな方向性を提示するものと期待される。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • タンパク質の動的構造-機能相関解明のためのNMR研究法の高度化に関する基礎的研究
    (農林水産省農業生物資源研究所 山崎 俊正)
  • 機能未知タンパク質の分子機能の推定に関する基礎的研究
    (農林水産省農業生物資源研究所 加藤 悦子)

研究のイメージ

NMRによる機能未知タンパク質の動的構造解析と機能の推定に関する基礎的研究