研究代表者氏名及び所属
森山 達哉(京都大学食糧科学研究所)
研究実施期間
平成11年度~15年度
研究の趣旨・概要
ヒトの体内において、トリグリセリドやコレステロールなどの中性脂質のレベルが高くなると、動脈硬化、虚血性心疾患および肥満などの生活習慣病の主要な原因となる。そこで、本研究では、これらの中性脂質の体内(肝臓)での合成と血液中への分泌を適切なレベルに調節する食品成分を見出し、その成分の食品化を目指した基礎的な検討を行う。予備的な研究によって、ダイズなどの食用植物のタンパク質中に有効成分が見出されたので、本研究では、1)血中での中性脂質のレベルや肝臓における中性脂質の合成に影響を与える植物性タンパク質中の有効成分(タンパク質分子種及びペプチド)を同定する。2)生化学的な解析やプロテオーム解析、DNAアレイ解析などの方法を用いて有効成分の作用発現のメカニズムを解明する。3)有効成分をより多く含む、またはより有効な類似成分を含む植物品種を多くの食用植物から検索する。4)有効植物品種から調整したタンパク質成分またはペプチドを濃縮し、食品化を目指した検討を行う。
食用植物による脂質適正化食品の開発を目指した本研究の成果は、種苗産業や食品産業の発展に貢献するとともに、人類の健康増進、疾病予防に貢献することが期待できる。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 食品成分による脂質代謝調節機能に関する研究
(京都大学食糧科学研究所 森山 達哉) - 食用植物性タンパク質の単離・精製及び有効品種の検索
(京都大学食糧科学研究所 丸山 伸之)