生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2001年度 採択された研究課題

ザゼンソウを模倣した温度制御アルゴリズムの開発とその生物系発熱制御デバイスへの応用

研究代表者氏名及び所属

伊藤 菊一
伊藤 菊一(岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター)

研究実施期間

平成13年度~平成17年度(5年間)

研究の趣旨・概要

ザゼンソウ(Symplocarpus foetidus)の肉穂花序は、氷点下を含む外気温の変動に対して、その体温を20°C内外の一定温度に保つという特徴がある。従って、本植物には、外気温変動を検知する温度センサーを含む発熱制御系が存在していることが予想される。本研究においては、ザゼンソウがもつこれらの温度制御システムを導入した生物系発熱制御デバイスの構築を目的として、次の研究を行う。
1) ザゼンソウの体温変動データーを種々の温度条件下で網羅的に収集し、コンピューター解析に用いる温度データー群とする。
2) 温度データー群をコンピューターシュミレーションにより解析し、ザゼンソウを模倣した温度制御アルゴリズムを開発する。
3) 温度制御アルゴリズムから抽出される数学的パラメーター群について、それぞれのザゼンソウ側相同因子を検索・同定し、これらの再構成系要素群を導入した酵母および動植物細胞を作出する。
本研究により、温度センサーおよび発熱調節機能を持つ細胞の人為的構築手法が確立するとともに、環境温度変化に応じて任意の代謝反応を制御できるシステムの構築が期待される。

研究項目及び実施体制(( )内は研究担当者)

  • 恒温植物の温度データー収集および発熱制御関連遺伝子資源の検索
    (岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター 伊藤 菊一)
  • コンピューターシュミレーションによる発熱制御アルゴリズムの開発とその検証
    (岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター 伊藤 菊一)
  • バイオ発熱制御デバイスの開発
    (岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター 伊藤 菊一)

研究のイメージ

ザゼンソウを模倣した温度制御アルゴリズムの開発とその生物系発熱制御デバイスへの応用