研究代表者氏名及び所属
深津 武馬(独立行政法人 産業技術総合研究所)
研究実施期間
平成13年度～平成17年度(5年間)
研究の趣旨・概要
本研究課題においては、産業・応用的に重要な昆虫類の生殖表現型を自在に操作できる技術を確立し、もって生物系産業における生産性向上に資するという「昆虫生殖工学」とでもいうべき新規分野を開拓することをめざして、以下の研究を推進する。
1)共生微生物によって宿主昆虫にひきおこされる「雄殺し」「細胞質不和合」といった高度な生殖操作の標的となっている、昆虫類に共通に存在する分子機構をショウジョウバエの分子遺伝学的技術を駆使して解明する。
2)そのような分子機構を構成する遺伝子群を操作・改変することによって、モデル系昆虫であるショウジョウバエの生殖表現型を自在に操作できる技術を確立する。
3)そのような技術をさまざまな産業・応用的に重要な昆虫類に適用することによって、それらにおいても生殖表現型を操作することのできる技術を開発し、もって「昆虫生殖工学」とでもいうべき新規分野の開拓をめざす。
本研究の関連産業・社会への可能な波及効果については、たとえば生物防除用昆虫(寄生蜂、捕食性ダニなど)の効率的(=メス選択的)生産;不妊虫放飼法の実施におけるオス/メス選択的生産;人畜病原体媒介昆虫の野外個体群への細胞質不和合を利用した感染抵抗性遺伝子の導入;などが想定される。
研究項目および実施体制(( )内は研究担当者)
- EP因子挿入突然変異系統の作成及び生殖操作救済突然変異体のスクリーニング
(独立行政法人 産業技術総合研究所 深津 武馬) - 生殖操作関連遺伝子の同定及び構造、発現、機能解析
(独立行政法人 産業技術総合研究所 深津 武馬) - 生殖操作関連遺伝子の操作改変による宿主昆虫の生殖表現型の操作系の開発
(独立行政法人 産業技術総合研究所 深津 武馬)
研究のイメージ
