研究代表者氏名及び所属
寺内 良平(岩手生物工学研究センター)
研究実施期間
平成16年度~20年度(5年間)
研究の趣旨・概要
いもち病は、糸状菌の一種であるいもち病菌によって引き起こされるもので、冷害時には不作の原因となるため昔から恐れられており、対策が進みつつあるものの依然としてイネの最重要病害である。
本研究課題では、いもち病に高度な抵抗性を持つイネ品種の育成、いもち病の新規防除法の開発を目的に、新規遺伝子発現解析技術「SuperSAGE」法を用いて、イネといもち病菌の相互作用を分子レベルで解明する。SuperSAGE法とゲノム情報の活用により、いもち病菌がイネに感染しようとしている局所で働いているいもち病菌、イネ双方の遺伝子の種類を同時に知ることができる。さらに、「SuperSAGE-RNAi」法を開発して、いもち病菌がイネに感染するために関与する遺伝子、イネがそれを防ぐために関与する遺伝子の働く仕組みを解明する。
本研究の進展により、より一層有効ないもち病防除法が開発されるとともに、宿主生物と病原菌の間の相互作用の分子機構を解析する一般的な手法の開発も期待されるところであり、こうした成果は農林水産業・医学に広く利用されるものと思われる。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- SuperSAGE法によるイネ-いもち病菌相互作用の遺伝子発現解析((財)岩手生物工学研究センター 松村英生)
- SuperSAGE-RNAi法の確立(同センター 松村英生)
- イネおよびいもち病菌におけるTILLING法の確立(同センター 寺内良平)
- イネの形質転換による遺伝子機能解明(同センター 神崎洋之)
- イネで同定された遺伝子の双子葉植物における機能解明(同センター 高橋芳弘)
- いもち病菌の遺伝子破壊(同センター 藤澤志津子)
- タンパク質相互作用の解析(同センター 神崎洋之)