生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2004年度 採択された研究課題

自然な睡眠覚醒調節作用を持つ天然素材の探索に関する研究

研究代表者氏名及び所属

裏出 良博
裏出 良博
((財)大阪バイオサイエンス研究所分子行動生物学部門)

研究実施期間

平成16年度~20年度(5年間)

研究の要旨・概要

ヒトは人生の約3分の1を眠って過ごす。しかし、我が国では生活習慣病をはるかに上回る30%の国民が睡眠に問題を抱え、11%が睡眠薬を服用し、睡眠不足が絡む事故による経済損失は年額2兆円を超すとされる。
本研究では、数多くの天然素材の中から、ヒトが本来持つ自然な睡眠覚醒調節機能を促進させる素材を効率的・高精度に探索するため、ヒトの睡眠機構の研究に代表的に用いられるラット・マウス等の動物の脳波を測定し、その周波数や波形等の解析により、睡眠の質と量をオンライン解析できる睡眠測定系を確立する。
この測定系と、睡眠覚醒障害モデル動物を用いた睡眠解析、睡眠中枢・覚醒中枢・体内時計の神経活動記録、及び脳内の睡眠物質や覚醒物質の濃度測定を組み合わせ、入眠促進、熟睡率増加、覚醒時の眠気蓄積防止等の効果を示す素材を選別する技術を開発する。
これにより、不眠に悩む人々に対し、睡眠薬よりも自然で快適な睡眠を実現できる安全安心で科学的根拠に立脚した食品素材を提供し、新たな機能性食品に関する健康産業の創生に貢献する。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • オンライン型動物睡眠解析システムの構築((財)大阪バイオサイエンス研究所・分子行動生物学部門 裏出良博)
  • 睡眠覚醒調節作用を持つ天然素材のスクリーニング((財)大阪バイオサイエンス研究所・分子行動生物学部門 黄 志力)
  • 睡眠覚醒調節作用を持つ成分の同定と作用機構の解明((財)大阪バイオサイエンス研究所・分子行動生物学部門 江口直美)

研究のイメージ

自然な睡眠覚醒調節作用を持つ天然素材の探索に関する研究